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Acronisを使ったサーバー復元について(P2V編)

この記事は、ニフクラブログで2016-10-24に公開された記事を移転したものです。

こんにちは、ニフティクラウド テクニカルアカウントエンジニアチームです。

ニフティクラウドのパートナー企業が提供するソリューションサービスとして、クラウド型バックアップサービス(Acronis Backup Cloud for ニフティクラウド)をご紹介します。

前回は「Acronis Backup Cloud for ニフティクラウド」を利用したニフティクラウドからニフティクラウドへの復元方法を取り上げました。 Acronisを使ったサーバー復元について

今回は物理環境からニフティクラウドへの移行について、ご紹介いたします。

復元元(物理環境) 復元先(ニフティクラウド環境)
IP xxx.xxx.xxx.xxx IP yyy.yyy.yyy.yyy
OS Windows Server 2012 R2 OS Windows Server 2012 R2
サーバータイプ 物理サーバー
CPU:XeonE5205
MEM:4GB
サーバータイプ large(Type-h)
ファイアウォール
IN 設定 Port 22, 3389のみ開放
(リモート接続に使用)
OUT設定 設定なし

手順概要

1.復元元にエージェントを導入し、バックアップを取得 2.復元先サーバーをニフティクラウド環境へ構築 3.復元先サーバーにてリストア実施 4.vmwaretoolsのインストール

詳細手順

1.復元元にエージェントを導入し、バックアップを取得

1-1.モジュールダウンロード/インストール

復元元となるサーバーにてAcronis管理画面を開きます。Acronis管理画面へログインを行うと以下の画面が表示されますので、「追加」を選択します。 ※復元元サーバーから、80および443ポート宛てにインターネットへのアクセス、および名前解決ができる前提となります。 0002_01_エージェントダウンロード

「サーバー」の「Windows」を選択します。 0002_02_エージェントダウンロード

ダウンロードが完了するので、exeファイルを実行します。実行後、以下の画面が表示されますので、「インストール」をクリックします。 0002_04_エージェントインストール

「バックアップアカウントによるサインイン」の画面が表示されますので「Acronis Backup Cloud for ニフティクラウド」にて払い出されたID/PWを入力し、「サインイン」をクリックします。 0002_05_エージェントインストール

インストールが完了すると、以下のようにサーバーのホスト名がAcronisの管理画面に表示されます。 0002_08_エージェントインストール

1-2.バックアップ取得

バックアップ設定を実施するため、対象サーバー名の行をクリックし、対象サーバーを選択状態とします。選択後、右ペインが表示されますので、「バックアップ」を選択します。 0003_02_バックアップ

再度、右ペインが表示されますので、「新規作成」を選択し、バックアップ設定画面を表示させます。 0003_03_バックアップ

以下が表示された画面となります。今回は変更を行わずデフォルト設定のまま、「適用」を実施します。 0003_04_バックアップ

適用後、以下の画面に遷移するので、「今すぐ実行」を選択します。本作業にてバックアップの取得は完了となります。 ※バックアップ完了までの時間については、ネットワーク環境、データ容量により異なるため、本ブログでは触れないこととします。 0003_05_バックアップ

2.復元先サーバーをニフティクラウド環境へ構築

ニフティクラウドにてサーバー作成

ニフティクラウドにてサーバーを作成します。 ※本手順の復元元OSは、Windows Server 2012 R2を利用しているため、Windows Server 2012 R2を利用してサーバーを作成します。

3.復元先サーバーにてリストア実施

3-1.復元先サーバーを停止する

復元先サーバーをニフティクラウドのコントロールパネル、またはリモートデスクトップ接続などからサーバー停止を実施します。

3-2.リストア利用のブータブルメディアをダウンロード

Acronis管理画面の左ペインにて「すべてのメディア」を選択し、リストアサーバを選択します。選択後、右ペインが表示されますので、「復元」を選択します。再度、右ペインが表示されますで、「ISOイメージのダウンロード」を選択します。 0200_01_ダウンロード

ダウンロードしたISOイメージは、ニフティのコントロールパネルのコンソール機能にてISOマウントしてリストアに利用するため、コンソール機能利用の端末に保管を行います。

3-3.復元先サーバーの起動順序変更

ニフティクラウドコントロールパネルより、サーバーの起動を実行します。 05000102_起動

その際に「BIOS画面で停止する」にチェックを入れる必要があるのでご注意ください。 050002_起動

コンソール機能を立ち上げ、ISOファイルをマウントします。コンソール画面にてBIOS画面で停止していることを確認後、「Boot」タブにて「CD-ROM Drive」が最上段になるように変更を実施します。

※2020年4月現在ISOファイルのマウントはISOイメージ機能を利用する必要があります。

※2020年4月現在Windows系OSの場合はコンソール接続を先に行い、サーバー起動時にBIOS画面で停止するよう設定してください。

050003_BIOS

「Exit」タブで、「Exit Saving Changes」を選択し、「Enter」キーをクリックします。 050004_BIOS

以上の操作により、Acronisのブータブルメディアにて起動が開始されます。 0300_01_リストア1

3-4.Acronisにてリストア

ブータブルメディアで起動が開始され、少し時間が経過すると以下のような画面に変化します。カーソルを「Rescue Media」にあわせ、選択します。 0300_02_リストア2

しばらくすると「localhostへようこそ」の画面が表示されますので、「ツール」-「ネットワークの設定」を選択します。選択後、以下の画面の表示となりますので、左ペインで「eth0」が選択されている状態にし、右ペインの「自動構成」のチェックを外します。また、名前解決に利用可能なDNSサーバーのIPアドレスを入力します。設定完了後、「OK」をクリックします。 0300_04_リストア4

以下の画面の表示となりますので、「復元」を選択します。 0300_05_リストア5

「復元するデータの選択」画面が表示されますので、「参照」をクリックします。 0300_06_リストア6

「場所の参照」画面が表示されますので、「クラウドストレージ」を選択し、右下の「ログイン」をクリックします。 0300_07_リストア7

「アカウントのログイン情報」画面が表示されますので、AcronisのIDおよびパスワードを入力し、「OK」をクリックします。 0300_08_リストア8

「場所の参照」画面に戻ると、以下の画面の表示となりますので、そのまま「OK」をクリックします。 0300_09_リストア9

「復元するデータの選択」画面が表示されますので、アーカイブ名や作成日時などから、リストアするデータを選択します。下部の「バックアップ内容」では、「MBR」や「NTFS(C:)」など、すべての項目チェックを入れて、OKをクリックします。 0300_10_リストア10

0300_11_リストア11

以下の画面の表示となります。本構成の場合、自動でディスクの割り当てが行われているため、「OK」をクリックします。 0300_12_リストア12

ポップアップにて、リストアの状況が表示され、リストアが完了すると以下の画面の表示になります。 0300_13_リストア13

ポップアップを閉じた後、コンソール機能のISOファイルマウントを「Unmount」にて解除します。マウント解除後、「アクション」タブから「終了」を実行し、OSを起動します。

4.vmwaretoolsのインストール

OSを起動すると、以下のように表示され、バックアップ元のサーバー名が表示されました。 0300_14_リストア14(確認1)

vmwaretoolsが導入が既に導入されていれば、ここまでで完了です。 vmwaretoolsが導入されていない場合は、以下の手順を実施してください。 ※ニフティクラウドのコントロールパネルにて、正常な動作を行うためには、vmwaretoolsの導入が必要となります。

1.vmwaretoolsをISOファイルとして作成 2.コンソール機能からマウント 3.マウントされたメディアを利用し、vmwaretoolsをインストール 4.OSが起動

上記1~4までの実施で作業は完了です。

まとめ

リストア先のサーバーでバックアップ取得元のみに格納していたデータが格納され、ホスト名の変更もかかったため、リストアは成功したと考えられます。 物理環境から仮想環境への移行はハードルが低くないですが、「Acronis Backup for ニフティクラウド」を利用することで、P2Cのハードルが少し低くなったものと思われます。

注意事項

今回は特別なミドルウェアを導入していないため、ミドルウェアレベルでの確認は実施しておりません。実際にご利用される場合には、十分に試験を実施いただき、動作が正しいものかご確認ください。