この記事は、ニフクラブログで2016-11-24に公開された記事を移転したものです。
こんにちは。ニフティクラウドテクニカルアカウントエンジニアチームです。
2016年11月21日にニフティクラウド NASの新タイプ「標準」がリリースされました。 ※今まで提供されていたNASは「高速」タイプとなります。
今回は「標準」タイプ、「高速」タイプの性能比較を行いたいと思います。 仕様や料金などの詳細につきましては、以下のページをご確認ください。 > ニフティクラウド NAS
検証環境構成
NAS環境(共通) | |
---|---|
ゾーン | west-12 |
容量 | 1000GB |
NAS環境(タイプ/プロトコル) | ||
---|---|---|
1.高速タイプ | ||
プロトコル | NFS | |
2.標準タイプ | ||
プロトコル | NFS | |
3.高速タイプ | ||
プロトコル | CIFS | |
4.標準タイプ | ||
プロトコル | CIFS |
クライアント環境 | ||
---|---|---|
NFSクライアント | ||
ゾーン | west-12 | |
サーバータイプ | medium4(Type-h) | |
OS | CentOS 6.7 | |
CIFSクライアント | ||
ゾーン | west-12 | |
サーバータイプ | medium4(Type-h) | |
OS | Windows Server 2012 R2 |
検証内容
検証1:実施環境1および2 dbenchにて書き込み性能取得 検証2:実施環境1および2 fioにてIOPSの値を取得 検証3:実施環境3および4 CrystalDiskMarkにて、書き込み性能の値取得 ※クライアントは、高速タイプ、標準タイプともに同じクライアントを利用します。
検証の事前作業として、NASを作成し、クライアントはNASをNFSマウント、またはネットワークドライブとして登録し、書き込み可能な状態とします。
検証詳細
検証1:dbenchにて書き込み性能取得 dbenchはマウントしたパスを利用するよう指定し、5スレッドにて実行します。 ※パスおよび、同時実行数以外は指定しません。
結果:「標準」タイプに比べ、「高速」のNASが書き込み性能が高いと思われました。ただし、大きな違いはありませんでした。
検証2:fioにてIOPSの値を取得 fioを8スレッドで、「read」、「write」、「readwrite」にて実施(ランダム・シーケンシャル) ※利用オプション「--invalidate=1 --direct=1 --ioengine=sync -bs=4k -size=2G-runtime=60」 ※それぞれキャッシュを使わないように実行時に作成されるファイルは、毎回削除して実行しています。
結果:「高速」タイプが「標準」タイプの2倍程度性能が高いように思われます。 ※一部性能が出ていないものもありました。NASの性能による結果、または一過性の結果かを時間を置いて検証する必要があるかと思われます。
ランダムREAD結果
ランダムWRITE結果
ランダムREAD/WRITE結果
シーケンシャルREAD結果
シーケンシャルWRITE結果
シーケンシャルREAD/WRITE結果
検証3:CrystalDiskMarkにて書き込み性能の値取得 CrystalDiskMarkをWindows Serverに導入し、「All」にて実行
結果:「高速」タイプのNASデータにばらつきがあるものの、全体的に良い結果が出ていました。 「標準」タイプはどの試験でも結果が安定しているため、低いスペックでのNAS利用を考えられている方には、ぴったりのサービスと思います。
ランダムREAD 32スレッド
ランダムWRITE 32スレッド
ランダムREAD 1スレッド
ランダムWRITE 1スレッド
シーケンシャルREAD 32スレッド
シーケンシャルWRITE 32スレッド
シーケンシャルREAD 1スレッド
シーケンシャルWRITE 1スレッド
まとめ
・dbenchによる検証では、書き込み速度には大きな差がありませんでした。 ・fio / CrystalDiskMarkによる検証では、実施方法により大きく異なりましたが、全体的に高速NASのIO性能が良い結果となりました。 ・処理量が多い場合や同時接続数が多い場合には「高速」タイプが向いていると考えられます。
Windows、Linux共に上記の事が言える結果となっています。上述の通り、大容量であることや性能を求める場合は「高速」タイプを利用し、データが少量である場合や性能を求めないログ保管などは、「標準」タイプの利用が良いかと思います。
【注意事項】 本検証結果は弊社にて行った数値です。実際のご利用の際には実環境にあわせて、性能の検証を実施いただくことをおすすめいたします。