この記事は、ニフクラブログで2022-12-12に公開された記事を移転したものです。 こんにちは、CRE部 技術支援チームです。
ニフクラではOracle DatabaseライセンスのBYOL(Bring Your Own License)が可能な環境を利用できる、ニフクラOVMを提供しています。
ニフクラOVMは通常のニフクラとは異なる基盤で動作していますが、どれくらいのパフォーマンスの違いがあるのかを確認するためにUnixbenchを実行してみました。
前提条件
本ブログは、以下の前提知識がある方を想定しています。
- ニフクラの基本的なコントロールパネルの操作、サービスを利用する知識
- Linuxサーバーの基本的な操作、知識
検証概要
OVMサーバーとニフクラの通常のサーバータイプ(Type-h2)のサーバーを用意してベンチマークを実施します。
ベンチマークツールはUnixBenchを使用しました。UnixBenchは主にCPU総合性能値を評価するためのベンチマークツールです。
ニフクラOVMのサーバー仕様について
ニフクラOVMのサーバーと通常のサーバー(Type-h2など)では動作基盤が異なります。
以下は「ニフクラOVM(Oracle Database利用環境) サービス仕様書」の該当の説明部分の抜粋です。
上記仕様により、ニフクラOVMでは割り当てCPUに対してハイパースレッディング機能の影響を受けます。
今回使用するovm.medium8のサーバータイプの場合、OS上からは4コアあるように見えますが、物理コアは2コアとなります。
今回はこの内容を踏まえて計測条件を決めています。
※ その他ニフクラOVMの仕様については「クラウド 機能・サービス(ニフクラOVM)| ニフクラ」のページをご参照ください。
計測条件
今回、ニフクラOVMのサーバータイプはovm.medium8を使用します。
この場合、ニフクラOVMのサーバーではOS上からCPUが4コアあるように見えるため、比較対象となるType-h2サーバーはh2-large8としました。
その他の計測条件は以下の通りです。
項目 | OVMサーバー | Type-h2サーバー |
---|---|---|
リージョン/ゾーン | east-1 | east-11 |
サーバータイプ | ovm.medium8 | h2-large8 |
OS | Oracle Linux 7.6 | Rocky Linux 8.6 |
性能計測ツール | UnixBench 5.1.3 |
実施方法
UnixBenchはオプション指定無しで実行します。
各サーバーで3回計測して「System Benchmarks Index Score」の値の平均値で比較します。
計測結果
- 通常のサーバー(h2-large8)と比較してニフクラOVMのサーバー(ovm.medium8)は約1.2倍のスコアとなった。
まとめ
今回の計測条件下では、ニフクラOVMのサーバーは通常のニフクラ環境のサーバーと同等以上の性能が発揮できることが確認できました。
ハイパースレッディングの効果がでるかはアプリケーションの特性に依存しますので、データベースソフトでも同等となるかはわかりませんが、ニフクラOVMを利用する際の参考になれば幸いです。
注意事項
- 本記事の他社サイトへのリンクにつきまして、リンク切れの際はご容赦ください。
- ベンチマーク結果は参考値であり、お客様のアプリケーションの動作を保証するものではございません。
- ニフクラでは、CPU型番などの情報を公開していません。計測したゾーンやサーバーよって、結果は異なる場合があります。
- 本記事で記載した各サービス/ニフクラの機能等は、2022年11月時点の情報です。ご利用の際は、各サービス/ニフクラの機能の最新情報をご確認ください。