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コードを書かずにシステム開発【第二回】ローコード開発の歴史(なまけ者の開発者たち)

こんにちは。マジックソフトウェア・ジャパンの渡辺です。

前回はローコード開発ツールMagic xpaと富士通の関係性について書かせていただきました。
久しぶりとなりましたが、今回は開発言語の進化の歴史と、クラウドとローコード/ノーコードがなぜ親和性が高いかについてお話したいと思います。

 

 

なまけ者の開発者

さて、システムを開発するにはプログラミングが必要。プログラムを作るにはコードを書かないといけないのは当たり前のことですが、

・コードを書くのが面倒くさい!
・もっと楽してシステム開発がしたい!
・仕事を早く終わらせて、飲みに行きたい!
・趣味に没頭したり、子どもと遊んだりしたい!

そんなことを考えるなまけ者の開発者(Lazy Developers)はいつ頃から存在したのでしょうか?

 

コードを書くことが趣味だ!/楽しくて仕方ない! というオタクっぽい開発者は今も昔もいますが...それはそれとして。

 

そもそもプログラミング言語は、どんな種類のプログラムでも作れる汎用性を求められてきました。事務系のシステムだけでなく、科学技術計算、ゲーム、AI等、あらゆるユーザの要望も応えられることが求められ進化してきました。(言語によって向き不向きがありますが)

それこそOSだって作れるし、弊社のローコード開発ツールもプログラミング言語で開発されています。

でも業務系のシステムはどうか?というと、(極論すると)
「DBへどのようにInputして何をOutputするか?」
を作ることができればほぼほぼOKです。

開発ツール進化の歴史

OSまで作れるようなハードコアなプログラミング言語を使わなくても、もっと楽をして作れるはず。こう考えたなまけ者の開発者は昔からいました。「楽をしたい」という欲求が多くの開発ツールを生み出す原動力になったのです。

パソコンが今より非常に高額で、決して”パーソナル”に購入などできなかった1970~1980年代当時、「簡易言語」と呼ばれるパソコン用のアプリ開発ツールが登場しました。
例)Multiplan, LANPLAN, Lotus, Magic

その後、”エンドユーザコンピューティング”を可能にするものとして、第4世代言語(4GL)と呼ばれるプログラミング言語が現れ、RAD(Rapid Application Development)ツールとも呼ばれました。 例)PowerBuilder , UNIFACE, Delphi Sapiens, Access, FileMaker, MRDB, 桐, Magic

2010年代には超高速開発、2020年代にローコード・ノーコード開発と呼ばれるツールが登場します。
例)GeneXus, Wagby, WebPerformer, Outsystems Sapiens, Microsoft PowerApps, Kintone, Salesforce Lightning Platform, Magic

近年のローコード・ノーコード開発ツールは、「楽をしたいから」というよりも
・SEの人材不足により生産性を上げないと需要に追いつかない!
・ITを知らないユーザでもアプリを作りたい(シチズン・デベロッパー)
という理由で利用者が増大しています。

クラウドとローコード開発の親和性

昔のIT業界は長時間残業が当たり前のブラックな業界というイメージがありますが、働き方改革が進んだ現在では昔のようなデスマーチの現場は少なくなっていると思います。

しかしユーザの”DXを推進しなければ”という圧力を受けつつもIT人材は不足したままの状態が続いている今こそ、ローコード/ノーコード開発が主流にならなければいけないと思うのは、私がツールベンダー側の人間だからでしょうか?



いえいえ、米ガートナー社は、
「2025年までに、企業が開発する新規アプリケーションの70%にローコードまたはノーコード・テクノロジーが使用されるようになる」
と予測しています。
https://japan.zdnet.com/article/35196801/

ローコード・ノーコード開発は「必要なときに必要な分だけ利用する」というクラウドの利用形態とも相性が良く、クラウドのアプリケーション開発環境:aPaaS(エイパース:Application Platform as a Service)も急速に増えています。

クラウド基盤の構築・運用が自動化されているのですから、システム開発だってもっと楽になってもいいはず!

DXプロジェクトを始めるにあたっては「小さく始めて、早く成功させる」のが良いと言われます。これを「スモールスタート・クイックウィン(Small start, Quick win)」と呼びます。
クラウドとローコード/ノーコードのセットは「スモールスタート・クイックウィン」に最適な組み合わせです。

「楽したい」という欲求が原動力となって発展してきたのがIT技術の歴史とも言えるので、ブログのタイトルにある「なまけ者」は今回は褒め言葉として使っています。

次回は「ローコード開発でレガシーマイグレーション」へと続きます。