こんにちは。 ニフクラエンジニアミートアップ事務局の鮫島です。
2023年5月17日(水)に第60回ニフクラエンジニアミートアップを開催しました。
ITシステム(サーバーなどのリソースやソフトウェアも含める)の運用管理は非常に大きな工数が発生する部分ですが、今回は国産OSSのHinemosを題材にして、ITシステムに監視とジョブ管理を導入して自動化を推進するための基本的な考え方について学ぼう!という内容でした。
ITシステムの運用自動化をHinemosで簡単に始めよう
Hinemosとは
Hinemosは基本OSSですが、エンタープライズシステムの運用管理に必要な幅広い機能を備えた統合運用管理システムであり、開発やサポートをNTTデータ先端技術株式会社様が担当しています。
今回は同社の近松氏が前半のHinemosの概要紹介を、後半のHinemosのデモを上園氏がそれぞれお話くださいました。
Hinemosの特長
Hinemosがよく比較されるソフトウェアはおなじみのZabbixです。機能的には類似している部分もありますが、Hinemosは監視<ジョブ管理に強みを発揮するのが特徴であり、対象機器・リソースを利用用途などでグルーピングしてそれぞれ細かく管理できるようです。
よって、直接的な競合というよりは用途・目的に応じて使い分けるのが適切な活用法だと感じました。
カレンダーによるジョブ実行のデモ
Hinemosのジョブ管理機能は、「サーバーをまたがる処理フローを統合的に管理する機能」と定義されていますが、今回は実際に「3層構造のWebアプリケーションを時刻により停止するジョブ」を作成して実行するというデモを見せてくださいました。
このジョブの自動化は、たとえば「従量課金のクラウドサーバーやマネージドのDBを基盤として利用している業務用アプリケーションを、営業時間外はサーバーを停止する」といった、サーバー管理者の定型業務を自動化して、クラウドの利用料金を節約することができそうです。
Hinemosは、有償のサブスクリプション版ではCLIでの操作も可能ですが、無料版ではおもにGUIでの操作ですべてのジョブ作成から管理・運用が可能になっています。
実際のジョブの設定から実行まで、モデレーターの宮原さんが感心したほど極めてスムーズなデモを見ることができます。 youtu.be
QAセッション
HinemosとZabbixの違いは?
冒頭で近松氏からもコメントがありましたが、やはり気になるZabbixとの違いです。
ここで、NTTDATA先端技術の石田氏が回答者として参戦。 監視という観点で満たせる要件にさほど違いはない、大きな違いはジョブ管理機能が充実している点とのこと。
あと、実際の利用シーンではZabbixがサーバーの運用・管理を行うインフラエンジニア向けのソフトであるのに対し、SI案件でよくある「導入した人と運用する人が異なる」ケースで、インフラの専門家ではない運用者が操作することを想定した設計思想を持っているそうです。
この回答に対し、参加の皆さまが「なるほど!言われてみると確かにそうかも・・・」という反応が各地(チャットやSNS)であったようです。
GUI操作以外にコマンド操作もできるの?
最初の質問とも関連しますが、サクッとCLIで操作したいんだけど?と言う人からの質問でした。 その場合は、Hinemosマネージャーを操作するコマンドラインツールが提供されているが、有償サブスクリプション版のみの機能だそうです。 オープンソースの無料版との差別化はそういうところにあるのか!と納得しました。
このような感じで、Zabbixとか使ったことがありそうな参加者からの質問が次々に飛び出してきましたが、その都度的確な回答が返ってくるため、質問の濃さのわりに時間内にすべての回答が終わってしまうという珍しい事態になりました。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。 youtu.be
ということで、当日までは「今回のテーマはちょっと難しかったかな?」と思っていましたが、思ったより参加者の皆様の食いつきのいい質問が多数飛び出して、NTTデータ先端技術の皆様も驚いておられたようでした。
自宅サーバー・自宅クラウド勢もぜひ
Hinemosの無料版は、もちろん皆様の自宅サーバーにインストールしていただくことが可能ですし、ニフクラ(FJcloud-V)にもインストールしていただくことも可能だと思います。
ぜひ、ご自宅でも運用自動化を試してみてはいかがでしょう?
それでは、次回もお楽しみに。