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【レポート】『クラウドエンジニアの教科書』の著者によるクラウド入門

この記事は、ニフクラブログで2022-12-20に公開された記事を移転したものです。

こんにちは。 ニフクラエンジニアミートアップ事務局の鮫島です。

2022年10月19日(水)に第53回ニフクラエンジニアミートアップを開催しました。

今回は、『クラウドエンジニアの教科書』の著者によるクラウド入門ということで、ベストセラー 『インフラエンジニアの教科書』著者 佐野裕氏にご登壇いただきました。

fujitsufjct.connpass.com

ちょうど『クラウドエンジニアの教科書』という新刊の出版記念ということもあり、多くの方に参加していただきました。ありがとうございました!

クラウドエンジニアの教科書

新刊『クラウドエンジニアの教科書』は、クラウドを学ぶ際に一番最初に読むのに適した本を目指して執筆されているそうです。 ※共著となっており、他に伊藤俊一氏、小嶋宏幸氏、Namihira氏が執筆しています。

FJcloud-Vの話も少しでてくるそうです…

ここまでクラウドが普及してしまうと、世の中のインフラエンジニアは誰もが最初からクラウドを扱えるものだという先入観が出来てしまいがちです。
実際は、自社や顧客のサーバールームやデータセンターにある物理サーバー(オンプレミス)の管理が主業務であったり、クラウドであっても構築済のサーバーを手順書に沿って決まった操作をしたことしかないケースもあるでしょう。

それでも、今後クラウドがITインフラに占める割合は増えていくのは確実ですので、そういったクラウド初心者エンジニア向けに基礎の基礎からお話していただくのが今回の狙いです。

クラウドエンジニアの教科書に沿って

本編に入る前に、佐野さん自身のクラウドとの関わりが語られましたが、ご自身も「オンプレミスとの違いに戸惑った」とのこと。
とはいえ、オンプレミスもクラウドも、ITインフラであることには変わりないので、「ネットワークを設定してサーバーを作って」みたいな部分よりむしろ、クラウドならではの部分が難しいようです。

クラウドならではの部分…ってなんだろう。気になる…。

ユーザー管理と権限設定

佐野さんが最も苦労されたのが、各ベンダーごとに異なる「ユーザー管理と権限設定の考え方」だそうです。 AzureとGCPは比較的判りやすいが、AWSは理解するのに時間がかかったとのことです。

ルートユーザーはともかくI AMロールって?

AzureとGCPは似ているが、それでも微妙に違う

クラウドのベンダー資格は取ったほうが良い?

クラウドベンダーの資格って、取った方がいいか?という質問は本当によくあります。 クラウドそのものの理解をするためには、微妙だけど先のようなベンダーごとに違う部分を理解するためには資格は有効とのこと。

一般論で通用しない部分を覚えたくない気持ちはわかりますが、資格試験合格のためなら暗記できるような気がします…。

また、受験料高すぎる問題については、抜け道があるようです。
セミナーに参加すると安いバウチャーを貰えたり、会社の資格取得補助みたいなものを最大限に活用したり、とか。でも、インターネットでマメに情報収集するのが一番ですね。
※ちなみに会社の補助で某ベンダー資格試験を受けて不合格になり追試を受けたのは私です。

クラウドを試してみる

クラウドを試してみるにあたって、佐野さんは二つの点を重視したとのこと。

・できるだけ費用がかからないように体験できること
・最低限のセキュリティ設定を行うこと

前者は、「クラウドエンジニアの教科書」でも、非常に丁寧に記述したそうです。 クラウドは大体どこのベンダーであっても、契約前に無料で使えるようになっていますが、ベンダーによっては無料枠を超過すると課金されるケースもあるので注意が必要です。

ちなみにFJcloud-Vも2か月無料でお試しいただけます。

セキュリティに関しては、それだけで一冊書けてしまう世界なので、「クラウドエンジニアの教科書」でも詳しく記述しなかったそうですが…
佐野さん曰く
「本心では、現場に出て体で覚えるのがいい」

と思っているとのこと。 意外と体育会系ですね。

クラウドならではのカルチャーを理解する?

オンプレミスにはないクラウドならではの特長の一つが「基準値」。 要するに性能制限があることを理解する必要があります。

実機のサーバーならば、「CPUの性能を最大源に発揮するための工夫」という発想はアリですね。
クラウドの場合
「決められた数値以上は出ない」
です。

それ以上の数値を出したい=課金

それが、as a serviceの世界観といえるでしょう。

課金する以外に解決できないやつ

あとは、障害発生時にはあらかじめ決められたSLAを下回った場合のみ決められた利用額が返金対象となるが、障害による損害については一切保障されないという日本人の感覚だと極めてドライなルールがスタンダードです。 まずは、クラウドならではの責任分界点も理解しておく必要があります。

今までの価値観を捨ててクラウドの世界観に慣れることこそが、IT業界でグローバルに通用する人材を目指す第一歩のような気もします。大袈裟ですか?

QAセッションも、「クラウドエンジニアの教科書」の各章に関連する質問が多数寄せられました。

ECSもなかなかお金がかかるんですよねー

詳しくは、「クラウドエンジニアの教科書」を読めば解決するはず! ぜひ手に取っていただきたいと思います!

今回は動画のアーカイブはありませんので、佐野さんのお話を聞いてみたい…と思った方は、「クラウドエンジニアの教科書」を読んで予習しながら、ニフクラエンジニアミートアップのグループに参加して次のチャンスを待ちましょう!

それではまた次回もよろしくお願いします。

前回、佐野さんにご登壇いただいた時も飛び入り参加も出るほど盛況でしたが、その模様はこちらのブログ記事で。 blog.pfs.nifcloud.com