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プライム・ストラテジー渡部の「推しは富士通」第2回 クラウドの構内接続はいいぞ!【不定期連載】

お疲れ様です。プライム・ストラテジーの渡部です。

第2回は勝手に事例紹介ということで、伊藤忠エネクス株式会社様(以下、敬称略・株式会社略)の事例を紹介したいと思います。

www.fujitsu.com

クラウドとオンプレを直接繋ぐ

FJcloud-Oを勉強するにあたり、公開されている各社の導入事例を読んでみました。
その中で、この伊藤忠エネクスの構成を見たときに、「なんだこれは!」とびっくりしました。

クラウドとオンプレサーバーが構内回線で繋がってる!

(出典:伊藤忠エネクス 株式会社様 事例:富士通)  

これがどれだけ特殊かを示すと、一般的にクラウドとオンプレサーバーを接続する場合は、クラウドベンダーが提供する接続サービス(AWSならAWS Direct Connectなど)を利用して、データセンター間をセキュアな方法で接続する必要があります。

AWS Direct Connect とは - AWS Direct Connect

単純に、私の知識アップデートができないだけだけかと思い、他社サービスを調べてみましたが、同様のサービスはありませんでした。

「物理ポート(構内接続プラン)」接続サービス

事例紹介で「セキュアな構内接続」となっている箇所の具体的なサービス名を調べてみると、FJcloud-V(ニフクラ)のサイトで見つかりました。「物理ポート(構内接続プラン)」というようです。(渡部予想)

富士通のクラウドサービス(FJcloud-OやFJcloud-V)なら、富士通DCとこういった接続が可能なようですね。

クラウド 機能・サービス(物理ポート) | ニフクラ

メディアタイプ 1000BASE-T, 1000BASE-SX, 1000BASE-LX, 10GBASE-SR, 10GBASE-LR
接続レイヤー L2、L3
提供リージョン jp-west-2
冗長化方式 デュアル接続(L2):MLAG(LACP)によるL2冗長
デュアル接続(L3):VRRP/HSRP等の冗長化プロトコルによるL3冗長(お客様側機器にて実施)
VLANタグ設定 あり(trunk)、なし(access)
帯域 ベストエフォート
BUMフレームの扱い プライベートブリッジの仕様に準じます。

(出典:クラウド 機能・サービス(物理ポート) | ニフクラ)

お!L2接続ができる。しかも、冗長構成に対応している!
(エンタープライズ向けサービスなので当たり前といえば当たり前かもしれませんが)

「プライベートLAN」サービスにL2接続できるとすると、非常に構成を簡単にすることができます。イメージ的にはクラウドで提供されている仮想サーバーと物理機器を直接LANケーブルで接続できるようなものです。

ただ、利用できるリージョンが「jp-west-2」のみであり、今のところ西日本の富士通データセンターのみのようです。東日本でも利用できる日を楽しみにしています。


MLAG(LACP)によるL2冗長についての補足

ちょっとL2冗長について補足すると、複数の物理線を利用することで、1本障害が発生しても影響を受けないようにすることができます。(画像中央)

初期費用と月額費用

物理ポート(構内接続プラン)を利用する場合の料金は以下のとおりです。

構内接続プラン(1000BASE-T)をデュアル接続(L2)の場合

初期費用 数量 初期費用(税込)
物理ポート(構内接続プラン) 1000BASE-T 2 0円
  合計 0円
月額費用 数量 月額費用(税込)
物理ポート(構内接続プラン) 1000BASE-T 2 22,000円
プライベートブリッジ コネクター 1 0円
  合計 22,000円

詳細は料金ページを参照ください。

安いなあ~(私見です)

普通は物理サーバーが入っているラックにあるパッチパネルへの接続工事があるので、ある程度の費用がかかるものとの認識でしたが、無料のようです。

また既に述べたとおり、物理サーバーをクラウドに接続する場合は、AWSならAWS Direct Connectを利用する必要があり、その場合はin/outのデータ転送量を考慮する必要があります。さらに、AWS Direct Connect自体の利用料金のほかに、Direct Connectの中継地点までの回線料金やルータの機器費用・保守費用もかかってきます。そのため、トータルでの価格差はかなり大きいものになると思われます。

本日のまとめ

事例ページにも記載があるようにクラウドと物理サーバの良いとこどりができる構成は、機器構成上の問題でクラウド化が出来ていなかった各種システムへの直接的な解になるかと思います。

可用性が求められる EDI サーバや処理性能が重視される DB サーバは、取引先への影響を踏まえてホスティング環境で構築することになり、クラウドとホスティングによる最善のシステムが組み上げられた。

伊藤忠エネクスの場合はUNIX サーバ「SPARC M10(以下、M10)」を使い続けたいという要望だったかと思われますが、その他にも同様にUNIXサーバーとクラウドを直接繋ぎたいというニーズは多いはずです。事例公開としては伊藤忠エネクス分だけですが、実績としては多くあると思いますので、興味のある方は富士通に聞いてみていただければと思います。

 

本日は、勝手に事例ピックアップで紹介させていただきました。次の記事も期待していただければ幸いです。