皆さん、こんにちは。
富士通クラウドダイレクトの中の人、鮫島です。
久しぶり(3年ぶり?)のリアルイベントに参戦したのでレポートを書いてみました。
VMware Explore 2023 Tokyoというのは、どういうイベントかというと…
最新の VMware のビジョンやテクノロジー、そしてお客様事例をご紹介する General Session、幅広い内容のブレイクアウトセッション、VMware と パートナー各社の製品やソリューションが一堂に集結する Showcase(展示)など、多彩なプログラムを通して 「新しいマルチクラウドの世界」を体感できる!
といったもので、世界5か所で開催されています。
イベントレポートなのに、入り口看板などの写真はありません。
完全に展示会に行った時のレポートのお作法を忘却しています。
でも、記念写真だけは忘れなかったので許してください。
基調講演的なもの
Broadcom社が2022年5月にヴイエムウェア社を610億ドルで買収することを発表したことはご存じと思います。
それに関連して、Broadcom社のプレジデントCEOのHock Tan氏や、ヴイエムウェア社CEOのRaghu Raghuram氏のメッセージも流れたそうです。
※午後から参加したので見ていません。
下記の3つがBroadcom社のプレジデントCEOのHock Tan氏が語った基本方針です。
1.研究開発の投資強化
2.パートナーエコシステムへの投資強化
3.VMwareのソリューションの運用性
買収完了後に何が変わるか?という点に注目が集まっていた模様ですが、インフラエンジニアの皆さんとしては、今後VMware製品の開発体制がどうなるか気になるところですね。
Showcase(いわゆる展示)
各社ブースの規模はコロナ前と比較して小ぶりかな?と思いましたが、久しぶりのリアル展示会ということでたくさんの来場者でにぎわっていました。
入り口付近のNetworld社のブース前で、「VMware PERFECT GUIDE」なる90Pというボリュームの冊子を貰いましたが、あまり詳しくない初心者や非インフラエンジニアでも、VMware製品の全体像が分かる良い資料でした。
VMware製品やその関連ソリューションは、たとえば大量の物理サーバーをデータセンターに配備して、クラウドサービスを提供するような企業(富士通とか)や、そういういう企業に製品を販売する企業が、購入・販売する製品だという雑な理解をしていますが、各社のブースで説明している方も、私のような明らかにインフラエンジニアでは無さそうな人にはあまり寄ってきませんので、ゆっくり見学(何をすればいいかわからず呆然としていた)することができました。
全体を見た感触ですが、VMware Cloud on AWSなどハイブリッドクラウドやマルチクラウド向けソリューションに加えて、「セキュリティ(脆弱性対策やデータ保全)」「AI」に関連した展示が多かった印象です。
素人目にも生成系AIの熱(GPUとかによる物理的な熱ではなく)がすごかったです(小並感)。
FJcloud-Vの中の人が、こういった企業のブースに立ち寄っては担当者と会話していた模様ですが、一度もリアルで会ったことが無い人も多いため遭遇率は低かったです。こういうパーカーを着ているとすぐわかるのですが。
富士通
新サービスとして展示されていたものは主に2つ
FJcloud-VのCatalog(カタログ)
FJcloud-Vの管理画面(UI)から、メニュー選択するだけで簡単にシステム構築が行えるというものですが、第一弾として提供されたのが、Anthos clusters on bare metal(GKE on bare metal)の自動構築です。
FJcloud-VでKubernetesを利用する方法として、提供されたものです。
FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-Outstation
こちらは、場所を選ばないVMware vSphere®基盤の専有型クラウドサービスということで、お客様ご指定のロケーションにFJcloud-Vをオンサイトで利用可能になります。
VMware Cloud on AWSなど、他社でも近いコンセプトの製品がありますが、比較的小規模な利用にも適したコストパフォーマンスが高い製品となっていますし、以前から富士通DCを利用されているお客様にはかなり移行のしやすさなどの点でメリットが高そうです。
ヴイエムウェア社
沢山の展示がありましたが(当然ですが…)時間が足りなくて気になったところだけ軽くコメントします。
VMware vSAN Max
vSANはHCIをサポートするストレージ仮想化ソリューションですが、VMware vSAN Maxは、その名前の通り…クラスタあたり最大24ノード(つまり最大容量8.6ペタバイト)まで拡張可能なAIの学習など大量データを扱う大規模なワークロードの処理に適したストレージを構築できるのだそうです。 しかも、HCIのアーキテクチャだとストレージだけをスケールするのが困難ですが、ストレージ単体で「Disaggregated Storage」としてスケールできるのが特徴。
直接AIを使ったプロダクトではありませんが、AIの利用シーンの変化に合わせてアップデートがなされているわけですね。
VMware Tanzu Application Platform
ヴイエムウェア社のモダンなアプリケーション開発プラットフォームとして注目されていたものですが、開発者によるAIの利用とアプリのセキュリティ確保を可能にするSpringの機能強化というがありました。 ちょっとだけSpring AIのデモを見せていただきましたが、確かにアプリケーション開発プラットフォームの画面からシームレスに生成AIとの連携ができるようになっていました。 反応速度に関しては、利用する環境によって差が出そうな印象でした。。
サイバートラスト社
セキュリティに関連するサービスという位置づけになると思いますが、CentOS7のEOL問題の対策製品を紹介されていました。
同社がサポートを提供しているAlma LinuxやMiracle Linuxではなく、ストレートにCentOS 7の延長サポート(脆弱性対応のアップデートパッケージの提供)を2024年6月まで行うという恐ろしく現実的なプロダクトだったのが興味深いと思いました。
VMUG(VMware User Group)
企業の展示ではありませんがVMUGのブースもあったので立ち寄ってみました。
たまたま話しかけた人が、VMUGのJapanリーダーの五十嵐氏でした。
「どうすれば新人エンジニアがVMUGに入るきっかけを作れますか?」 「そうですね。こういうリアルイベントのVMUGのセッションに参加すると良いですね!」
・・とのことでした。
新人エンジニアが、何らかの技術コミュニティに参加することでスキルアップができる!?という話は、本ブログでもニフクラエンジニアミートアップのレポートや新人エンジニア向けの記事で何度か取り上げている話ですが、こういったリアルイベントでVMUGの先輩の話を聞いたりVMUGのセッションに参加するところから始めるといいのではないでしょうか?
FJcloud-Vの中の人(vExpert受賞者の皆さんや新人)もVMUGのセッションに参加していた模様ですが、時間が違ったので会えなかったです。
General Session(いわゆる事例講演)
General Sessionは、VMwareのイベントということで、VMware Cloud on AWSなどハイブリッドクラウド・マルチクラウド関連や、HCIとのハイブリッドクラウドを想定した製品(セキュリティやAI連携)が多い印象でした。
富士通のSessionは、Day2の午後の部13時からでした。
データ主権を守るソブリン性とマルチクラウド統合運用でお客様経営に貢献するクラウドサービスとは?ということで、FJcloud-V/ニフクラに詳しい人ならば、見たことがあるかもしれない富士通株式会社グローバルテクノロジーソリューションビジネスグループサービスプラットフォーム品質マネジメント室チーフエンジニアの五月女雄一が登壇しました。
五月女雄一のセッションを要約
40分のセッションでしたが、ざっくり箇条書きでまとめてみました。
・DX推進の理由はさまざまだが、富士通は寄り添っていくよ
・富士通はマテリアリティを重視している
・富士通のクラウドは100%再生エネルギーで稼働している
・日本企業のITインフラの古いお作法・文化を変えなければ
・オンプレと地続きの世界観を持つFJcloud-Vで段階的移行を
・L2延伸でオンプレのIPアドレスを変更せず移行できるぞ
・他社HAと違い再起動保証があるのはFJcloud-Vだけ
・富士通クラウドマネージドサービスでマルチクラウドも実現
という感じです。
流行のAIよりも企業が抱えている現実的な課題に向き合っているところに富士通らしい独自性があったのではないか?と感じました(きれいなまとめ)。
以上です。
久しぶりのリアル展示会ということで、まだまだリハビリが必要と痛感しました。
それではまた。